2010年12月23日木曜日

出来事

求められて。。
 この1週間ほどのあいだに、ひとつ、ふたつ、みっつ。秦家をとり上げて頂ける出来事があった。
ひとつ、先月20日に広島であったフォーラム「ゆったり京暮らし、鄙の暮らし」が地元新聞で紹介される。
ふたつ、環境省絡みの「もったいない」をテーマに京都の生活観の映像化のお手伝い。
みっつ、先月受けたWEBマガジンの取材内容が昨日からUPされる。
 
 殊にみっつめ。「EEIE かんがえる、きれいなくらし。」では、今の秦家をそのまま紹介いただいた。若者の感性が「秦家」をこんなふうに引き出してくれたこと、ほんまに嬉しいことやな。

S様

WEB掲載開始のご連絡、ありがとうございました。

伝統建築、町家の暮らしとしてご紹介頂くことはありますが
現代を生きている家の姿として表現される機会は稀なことです。
そんななか、このような形で紹介いただけたことは嬉しく思います。
秦家が何かとてもフレッシュに映っていることに感謝です。
このほうこそ、これをご縁にどうぞよろしくお願いいたします。

秦めぐみ

2010年12月21日火曜日

こうぼうさん

終い弘法の日に
 今日、21日は終い弘法の日、北区に住む友人と一緒にこうぼうさんへ出かけた。「こんな南までバスに乗ることなんかめったいにない」と言う彼女。そう言うたら自分も同じこと。東寺さんの五重塔は京都のシンボルいうても、そばまで行って見上げたことはいっぺんもなかったことに気がついた。今日の目的は東寺さんのミニ見学会。拝観料を払うてじっくりと建物と仏像を拝観してきた。

2010年12月16日木曜日

みかん餅 (秦家流)

作り方
 「みかん餅」初めて聞く食べ物やった。和歌山県の蜜柑の産地ではお母さんの味でもあるそうな。丸ごと搗き込んでしまうのにはびっくりしたけれど、確かに香り高いお餅が出来る。体を温める薬効もある果実をこんなふうにして子供たちに考えた和歌山のほんのりやさしい色をしたおふくろの味。

 材料 (以下の量で一口サイズ50個以上作れます。)
・もち米 5合(もち米は24時間水につけておく)
・みかん 400g
・砂糖  50g
・御氷餅 適量
・仏手柑の蜜煮 少々(飾り用なのでオレンジピールなどでもOK)



 1 もち米と一緒にみかんも表の皮まるごと蒸す。
 2 取り出したみかんは砂糖と一緒にミキサーにかける。
 3 餅をつきながら少しずつ2を混ぜ合わせていく。
 4 搗きあがったら餅はそのまま水の中で冷やす。
 5 一口サイズに丸くちぎって丸く形を整えオレンジピールなどをのせる。
 6 粉上にしておいた御氷餅をまぶす。


   

2010年12月9日木曜日

続 時非香菓~

夜の会~
 あの日の雰囲気をお伝えすることは難しい・・。そんななか、参加頂いたお知り合いから使ってくださいね。と頂戴した画像。感謝です、、
 夜の会はこんなふう。ほんとに手元しか見えず。生の火炎は恐いほどに美しい、そして闇を照らしてくれるありがたみにあらためて思いを馳せて。。

 灯明の明かりのもと、好日居の横山晴美さんの所作は美しかった。。1人の参加者から、1煎、2煎、3煎と頂いてるうちに体がホカホカと温まってきましたと伺うた。朝にはダイナミックな好日居風のお薄でスキッリと、お昼には中国茶のお友達と対座しての同時に同じ所作でのパフォーマンス。一席ごと、楽しめる趣向を考えていただいた。

 くらがりでお菓子の色は想像しながら味わっていただくしかなかったところへ、こんな写真も頂けたのでご紹介。皮ごと蒸し上げたみかんを加えたお餅は、ほんのりとみかん色に仕上がってくれたのやった。作り方などは次回にご紹介でせていただこうと。。

大和橘

平安神宮 左近の橘
 美術館の帰りに寄り道して平安神宮の大和橘に会うてきた。覆いをかけられて大切に守られて色づく実をたくさんつけて立ってた。
  今の蜜柑の原種といわれてる実の大きさは、正月飾りに使う葉つきみかんほどの大きさで、小さな実が色ようついてる。来年は、花の頃にまた会いにきてみよかな・・。
 

2010年12月7日火曜日

なんちゅう顔や・・

ムーン 受難の一日

 会では、スタッフは髪に夏みかんの葉を挿すことになった。裏方全員が楽しめのは嬉しいことやった。誰が乗せたのか、ムーンの頭にもみかんの葉っぱ。しかし、、、ムーンの辛抱はこのとき限界を超えつつあったのでした。。

2010年12月6日月曜日

心地よく 終える

秦家で笙を聴く会 非時香菓(ときじくのかくのこのみ)大和橘色づくころに
 庭先でのリハーサル。庭先にたたずむ田島さんは絵をみてるようやった。
 つづきはまた。。

2010年12月3日金曜日

着々、準備中

秦家で笙を聴く会
 いよいよ明後日にひかえて、笙の会の準備は進んでる。
演奏者 田島和枝さんの衣装の入ったトランクも届いた。(この衣装、一昨日の晩にお友達が作製されたばかりのものらしい、、。)室礼を整えるためのあれこれもだいぶ揃うてきたし、お茶をお世話いただく好日居の横山晴美さんもあれこれ知恵を絞っていただいて、何やら三人で、ワクワクです、楽しみです。とメールのやり取り。お越し頂く皆さまに、どうぞこのワクワク感がうまいことお伝えできますように。

あらためてご紹介。

田島和枝さんの ホームページは こちら→○***○

好日居 横山晴美さんの ブログは こちら→○***○ 

~なお、朝の部、午後の部、まだ席があります。ご希望の方は秦家住宅までお申し込みください~

申込先:
秦家住宅 京都市下京区油小路仏光寺下ル太子山町594番地
TEL/FAX:075(351)2565
E-mail:mail2565@hata-ke.jp

2010年11月30日火曜日

庭先

今年の紅葉
 「1年、早いですな~」と乗り合わせたタクシーの運転手さん曰く、「京都は葵祭りや、祇園祭や、ほれ送り火や言うて追い立てられるみたいやさかい、よけですわ。」
ほんま、ほんま、そのとおり。年月重ねるごとにこの周期が先、先に見えてしまうようになってくる。上手い具合に冷え込みのある今年はわが家の紅葉も朝を迎えるたび調子よう色づいた。そして、昨日あたりから、チリチリと巻いた葉が飛び石の上に散りはじめた。そしたら、ほれ、明日から月も替わって。。

2010年11月29日月曜日

師走の足音

山田大根

お正月用のお漬物「おくもじ」を漬けるために必要な山田大根を、今年は寺町丸太町下がったとこの八百屋はんで見つけた。皮肌は艶やかできれいやしお手ごろやったので即決やった。
 順調に冷え込んで冬を迎えることを願いながら、長い葉をクルクルと大根に巻きつけて塩だけで漬け込まであと二、三日、こうやって庭先の片隅で陰干しや。

2010年11月22日月曜日

広島に行く

広島・京都文化フォーラム ーゆったり 京暮らし 鄙の暮らしー
 20日(土曜日)、中国新聞社、京都新聞社 主催の文化フォーラム出席のお誘いを受けて広島へ出かけてきた。通り過ぎるばかりで広島駅へ降りたのは初めてのこと。お迎えいただいた車の窓から、60年前、一瞬に時計の針を止められたことを想像することが難しいほど、美しい桜の紅葉を見ながら平和公園の傍を走り抜けた。
 この日ご一緒になった、世界遺産・石見銀山遺跡の町でご活躍の松場さん紺屋を営まれていたお家のゆかりの藍染の古布を守っておられる水野さんのお2人とは待合室で一言、二言お話しただけで緊張の糸はほぐれて、土地柄の違いを超えて通ずる価値感を共有することができたようで嬉しい出会いの日になった。。
 建物の喜ぶ使いよう、手仕事のぬくもり。今の時代、経済効率抜きでは生きていくことは難しいけれど、そればっかり追いかけていては人の心は擦り切れてしまう。。。
 思いはあっても、まだまだ生かしきれていない無力さを感じつつ、しっかりと前を見て歩いてられるお2人から勇気をいただいて帰路についた。

2010年11月21日日曜日

お火焚まんじゅう・みかん・ゆずおこし

秋も終盤。。

 お町内での今年最後の行事「お火焚き」のお下がりが今年もわが家にやってきた。これを見ると、あぁ、いよいよ紅葉も終盤やな。。と思う。そして、奥庭の山茶花の蕾のふくらみようが気になってくる。そして、ピューっと、冷たい風がガラス戸を叩く、、と頭のなかではイメージが浮かぶのやけれど。気温のほうは、午後になると今日も穏やかなもの。過ごしやすいのは結構なことやけれど、この季節ならではの感覚がずれてしまうのはちょっと寂しいような気がする、、。

2010年11月19日金曜日

12月5日(日) 笙を聴く会  ~打ち合わせ~

非時香菓(ときじくのかくのこのみ) 大和橘 色づくころ 
 いよいよ三週間後に近づいてきた「笙を聴く会」の打ち合わせを行なう。
田島さんから紹介いただいた當野康伸さんのご好意で、正倉院の御物にもない象牙の笙を今回お使いいただけるのだとか。笙の形は鳳凰が羽を休めている姿を表わしていて、象牙の笙はそれは美しいのだそう。竹製の笙よりもやわらなか音色とは?。。今から、楽しみ。
 曲目は、雅楽古典曲のほかに現代曲も演奏していただく。ジョン・ケージの遺作、笙のためにチャンスオペレーションという手法を用いて作曲した「ワン9」という曲は、田島さん曰く、「空の雲が流れているような曲」なのだそう。
 菓子の試作も少しずつ方向が固まってきて、5日の会に向けて夜な夜な熱い打ち合わせの時間が和気あいあいと過ぎていった。

2010年11月3日水曜日

晩秋を告げるモノ

ひね【陳】の茄子
 デパートの屋外テント張り野菜売り場から「朝取りの野菜です~」の声。今日は何があるかな。。。なんとなしに立ち寄ってみたら、あれ?、、あれあれ?!。このお茄子、いけるやん!!
 ビニールの袋の中にはカチコチンの不揃いの茄子が十数個入ってて、お利口な値。売れ残ってた3袋全部まとめて買うて帰ってきた。アクの強いひね茄子で作った辛子漬けは、分厚うてコリッとした皮肌の歯ごたえがなんとも言えん美味しい。というか、このお茄子やないとええ辛子漬けは出来ひんのや。

 ややこしい色、形したひね茄子も、ヘタを切ってきれいに水洗いすると立派に食材の顔になる。きれいやな。そんなふうに思う一瞬がなんとも楽しい。

 ちょっと塩は多めに打って塩押しにする。

 一晩もするとずいぶんと水が上がってきて、嵩も半分以下になってしまう。

 
 

2010年10月26日火曜日

秋の庭先

草取り
 庭先の草取りに軍手持参で手伝いに来てくれた知人夫婦。「この庭やの。」て言うと唖然とした顔をして「草って、どこに?」「ほら、地面全体がなんかしらモサモサとしてるのわかるかな。」と言いながら2人にピンセットを渡したことがあった。そのときの2人の、鳩に豆鉄砲みたいな顔、可笑しかったな。いまだに会うとこの話題が出てしまう。
 名前も知らん小さい草。花の咲いたとこは見たことがないこの草は、わが家の庭がいたく気に入りのようでちょっと気を許すととんでもないほど広範囲に生えて、泣かされどうし。涼しいなって、適当なお湿りもあるこの時期、庭先に出る時間がついつい長うなってしまう、、。
 

2010年10月17日日曜日

出来ることから

3R 低炭素社会 拡大教養講座
 10月も半ばを過ぎたのに日中は半袖でも過ごせてしまう。庭の片隅ではまだ蚊が羽音を立ててるし。季節はずれの不思議を毎日のように感じるようになってきた。それでも、山から出てくるクマみたいに今すぐに命に関わる危機に直面することのない私やら人間にはまだまだ切羽詰った感がない、、。先週の土曜日、秦家に集まった人たちを交えてわが家の暮らしの奥に潜んでる大切としてる事についてお伝えさせてもろうた。
 お弁当を持って出かけるときは水筒にお茶をいれて行こう。こうして淹れたお茶は美味しいさかい。買い物するときはちょっとはり込むようにしよ。そうして手にしたモノは大事に扱うし、長持ちするし、飽きることがないさかい。大それた理由は二の次にして、小さなポリシーが世の中の動きを変える力になるように思うのです。。

後半は奥座敷へ移動、桂離宮の修復にも尽力された人生の大先輩から、貴重なお話をしていただいた。

2010年10月12日火曜日

比叡山 延暦寺

坂本→延暦寺→八瀬
  いっぺん、滋賀県側から比叡山へ行ってみたいと思うてた。京都市内からバス、電車を乗り継いで40分ほど。比叡山を挟んで京都と背中合わせの湖西 坂本は、苔むした石垣がすっきりと整うて流石に比叡山延暦寺麓の門前町だけのことはある。駅前からケーブル乗り場まではバスもあったけど、石垣の散策路を歩いてみることにした。老舗の蕎麦処はお昼時で大繁盛、民家の裏庭に見つけた水琴窟、ここで花筏を栽培したはるご主人に栽培の苦労話も聞いたりした。

 ケーブル乗り場傍の学校から下校途中の男子生徒たちは出会うたび向こうから「こんにちわ~」と挨拶しながら通り過ぎていくのにはびっくり。そうこうしてるうちにケーブル乗り場に着いた。ここまででも、もう十分、ちょっと旅行に来た気分やな、と母。
  山頂からの見晴らし、琵琶湖の眺望の清々しいこと。遠くに近江富士、竹生島、湖面が秋日和の陽射しにキラキラ輝いて見えた。

 帰りは、昔から馴染みある山頂からのロープーウェイー、ケーブルカーと乗り継いで京都側、八瀬から帰路についた。

2010年10月8日金曜日

庭先

秋の庭は、、
 お彼岸過ぎから、すっかり陽射しも遠のいた庭先。夏の強いお日さんでさんざん痛めつけられた苔はやっと息を吹き返し始めたけれど、同時にそない勢いづいてほしいない類のものまで元気になってくるので用事は増える。青々しいゼニ苔に酢を塗ったり、梔子の秋芽をむさぼる大きな青虫を箸で取ったり、数種の雑草のひこばえを摘み取ったり、、。
 何しろ猫の額のような地面のこと、毎日のように庭に入っては巡回してると自分の目がほんまに小さい変化も見逃さんようになってることに我ながら感心してしまう。
 「秋」て言うたら、風景も、そのなかに生きる命も、暮れなずんでいく印象があるけれど、いやいやどうして自然の営みは今、かなり忙しそう。来年の春に向けて命のバトンを繋げていくための下準備を着々と進めてるのやな~。こんな町なかの、小さな庭先で、そんなことに思いを巡らせることができるやなんて結構なこと。
 
 

2010年10月1日金曜日

繋がる人の輪

28日、29日の出来事

一昨日、建具替えを終えた。いつの頃からか、わが家の建具替えには誰か助っ人が来ていただいて体力的な負担はずいぶん楽になってありがたいこと。今年は東京から街づくりをテーマにこれから研究をするという若者も見学かねて飛び入りの参加もあって計4名の助っ人に恵まれた。

 その前日28日は料理の会には、削り節器をお祝いに差し上げた新米お母さんになったUさんが可愛い盛りのわが子を連れて来宅。料理の会への参加は難しいなったけれどまるで実家を訪ねるように遊びに。ムーンを追いかけて家の中をハイハイして回って、逃げ回るムーン、取り囲む人たちの笑い声、和やかなややこしさ、なかなかええもんやな。。家のなかにほんわかムードの花が咲いた。

2010年9月28日火曜日

ぬかぶくろ

ただいま実験中

 奥庭を取り囲む縁の床材は、幾度かの改築のたびにこの家にやってきたもの。座敷前廊下(松110歳?)、蔵までのびた長い廊下(栂80歳?)、お便所前の廊下(台湾檜50歳?)。どの木も結構な年齢で、日課の雑巾がけのたびに、またちょっと木肌がかさついてきたな。。と気になってる。何年か前に荏胡麻油を塗って一気に艶を取り戻したけれど、もう少しゆるやかにしっとりとさせることはできひんものかな、、。そうや、ぬかぶくろ。
 使い古しの木綿の布巾をチクチクと縫い合わせて大きめの袋状にして、お米屋さんでもろうてる糠を入れてぬかぶくろを作った。床板をぬかぶくろで拭く。材木を商うたはるお家でも、常の手入れにはこれがいちばんええ。と、今でも言うたはるそうやから間違いない。
しばらくこれで乾拭きしてみることにしよう。と、実行してひと月。少し、艶がでてきたかな。。

2010年9月26日日曜日

秋の空

静かな日曜日

 今朝も、水道の水はぬるま湯のよう。急に気温が下がって、身の回りがいっぺんにウソウソしてきた。(ウソウソとは、薄ら寒うなってきたとき、肌寒う感じたときに自然と口から出てくる擬態語。何やしら急にウソウソするなぁ。て言う。)開け放ってた建具をあっちもこっちも閉めて、閉めて。ソックスはちょっと厚手に履き替えて。ガーゼの肌掛けからお布団に取り替えて、蚊帳もこの3日ほどは吊らんでも、あのプ~~ンという不快な羽音に襲われることもない。ムーンも、寝場所を店の間の格子前からサッサと2階の窓辺へ移動。
 近所の元小学校の校庭からは、学区の町内対抗の運動会をやってはるのか、君が代のメロディーや開会の挨拶の声やそして、競技がはじまったのかパーン!パーン!とピストル音が秋の青い空に響いてわが家の奥庭にもよう聞こえてくる。こうやって庭先から見上げると、雲のない青い空が周りの建物に切り取られて見えて、いかにも壷の底から眺めてるような気分になる。

 
 

2010年9月19日日曜日

9月のご祈祷 終える

柘榴と紫苑
 9月19日の今日は今年3度目で最後のご祈祷の日。いつもお参りは朝の9時ごろから1時間ちょっと。お上人が帰られて、オク(座敷のこと)に整えたご祈祷の室礼を片付けたあとには数個の柘榴の実と紫苑のお花だけが残されて、思いのままに家のなかのどっかの片隅に飾る。
 2、3日前からやっと息のつける気温になって、こうして9月のご祈祷を終えるとさすがにグッと季節も歩みを深めたような。。。
 来週、29日には建具替えの予定。毎年、どこからとものう助っ人の声のいただけることには、感謝、感謝や。

2010年9月15日水曜日

美術館「えき」

モーリス ユトリロ 展

 高校時代、絵画倶楽部で油絵を描いていた母は絵を見るのが好き。そんな情報は目ざとう見つけて、珍しい出かけへんかと誘われた。めったに自分からどこかへ行こうと言い出すことのない人からたまに言われると、やっと暑さも和らいだことやし、ほな行こか!
 京都駅までバスで10分ほど。あっというまに駅ビルの中にある美術館に到着。90点の作品が集結する機会はめったにないとのこと。白壁の直線的な建物のあるフランスの街角の風景画、その画風、見覚えはある。けれどその人となりについて知る機会はなかったので、生い立ちについての解説を読み進むにつれて、波乱に満ちた人生と絵を重ね合わせて見ていくうちに、なにやらもの悲しい気持ちになってきた。色合いは美しいけれど、どの絵もどこか寂しげ。青い空と、雲と、木と、そして人と、語りおうて、ときめいて何かを感じて描かれた風がないような。。
日本初公開、見ごたえのある展覧会は10月17日(日)まで開催なのやそう。
 
 その後はIデパート、家庭用品めぐりで器を見つける。ちょっと小さいけど、これ、買うとこか。ここでも珍しい母の衝動買い!気分転換になったのやったら、可愛らしい買い物や。
 

2010年9月13日月曜日

男子走りもとに立つ

調理は楽し

 料理を楽しんでいただける仲間が少しずつ増えつつある。Uさんグループは7月に初参加された男性が「これは楽しい!」と今回2度目の参加となった。料理するときなんとものう使こうてる言葉のひとつ、ひとつに「それはどういうことですか?」とお尋ねになりにメモされてと、ほんまに熱心なこと。このグループにはこの秋、花嫁さんになる女性があって、そのお相手の叔父さんにあたる方が飛び入り参加の予定やったのが、継続されることになりそうな雰囲気。。。
 まさかの男性参加。この方にとって料理は未知の領域でそれが新鮮な様子。毎日の料理も捉え方次第でこないに楽しめるのやな。と、あらためて思うた。それは、Uさんグループの女性陣にもこれから何かしら良い影響を与えてもらえそうな気がする。先月は、この夏のアニメ映画主人公アリエッティーファッションで参加していただいたMさんが、今流行のマキシスタイルで参加。秦家の走りもとにその立ち姿、結構似合ってる。

2010年9月10日金曜日

秋草もいまひとつ、、

暑すぎた夏

 この夏の長い熱帯夜は、庭木を痛めつけた。毎日、朝に夕に、ホースでたっぷり水撒きをしていたけれど少々のことでは大丈夫なアオキの葉でさえ黒う蒸されたようになって、パラパラと葉を落とした。どの草木もすっかり生気を失のうてしもて元気がない。ホトトギスの花の色もいまひとつ、、。

2010年8月28日土曜日

掃き掃除

陽射し

 庭に面して外向きの廊下は埃の多いのが難点。拭き掃除を一日さぼると、ザラついてしまう。けど、朝からこの暑さやと毎日拭くのは少々辛い。それで一日おきの手抜きの日は、箒で埃をはらうだけにしとくことにしてる。
 庭に向こうて、シャッ!シャ~、と掃き出した埃が光線のなかでキラキラ散っていく。おー、おー、みごとなチンダル現象。たったの一日で結構な埃がたまるものやな。
ん?朝陽をうけた欄干の影、なんとなしに長ごうなってきた?

2010年8月23日月曜日

秋の遣い

麦わらとんぼ

 地蔵盆のあった昨日、大丸さんへ買い物に出かける道々で念仏を唱える声を聞いた。一軒の家の駐車スペースにゴザを敷いて卍の赤いお提灯を下げて、円陣を組んで大きなお数珠をまわしながら「なむあみだ~ぶ、なむあみだ~ぶ、なむあみだ~ぶ」と繰り返すお年寄りや子どもたち。その町内は、円陣の中心に1人の和尚さんがまるでタクトを振る指揮者みたいに調子をとってうちわ太鼓を鳴らしてはった。お地蔵さんの前には大きなスイカ。合間にカン、カン、カンと固い鉦の音も。声を張り上げてる子どもの背中をウチワであおいでるおばちゃん達。まだまだ残暑は厳しいけど、京都の町なかでは今も暮らしの暦がつぎの季節へと導いてくれてる。お地蔵さんが終わったら、夏休みもお終い。夏も、、。
 夕方、縁側でムーンが叫んでるので(ムーンは獲物?を見つけると「ニャニャニャ」とおかしな声を出す)視線の先を見てみると麦わらとんぼが飛んできて山茶花に止まった。

2010年8月19日木曜日

冷やし飴

創業65の歴史
 しょうがの香りのする冷やし飴はちょっと懐かしい夏の飲み物。温めると「あめ湯」と呼び名が変わる。これを初めて飲んだのは小学校のとき、臨海学校での宿泊所で海から帰ってきたら熱~いのをお湯のみ茶碗飲ませてもろたことを思い出す。あのときは冷えた体に沁みたな~。個人的にそんな懐かしさもあって、昔懐かしい飲み物として8/14日、15日、エコ100選ワークショップに用意しようと思うた。
 家で作る習慣のない「冷やし飴」。こんなときはパソコン検索がほんまに助かる。「京都 冷やし飴」と検索したらトップに出てきたHP。お店の住所をみると、五条大宮 と、ほん近くにある。(自転車で5.6分)なにやら歴史もあるらしい、、決めた! 
 大通から一筋、細い通りを入るのか。。んーっと、、、ペダルをゆっくり踏みながらお店のあるらしき通りを二往復。あれー、、。「どこ、探したはりますのん?」と植木鉢に水遣り中のムームー来たおばあさんに声をかけられた。はー、あのう、冷やし飴を売ったはるお店探してるんですけど。「それやったら、ほろ、あそこの電信柱の前の家」あ?あーー、はい、ありがとうございます。電信柱の前?? 迷うてたら、そんなやりとりを見てはったのやろか、今度は大きなお腹のおじさんが、「ほれ、そこ、そこ。」と指さして教えてくれはった。(なんとも、この辺の人は親切。。)
 目のまー前、普通の家の表札の横に年季のはいった木の看板。入り口の戸を少しだけあけてチャイムを鳴らして声をかける。「誰か、お客さんへ」と奥のほうから声が聞こえてきて、しばらくしたら女の人が出てきゃはった。「どうぞ!!」と言われてようやっと、家の中へ一歩入る。

小さい土間に立った瞬間、これ何!? そこには懐かしい風景がそのままあった。どれもこれも懐かしいて。まるで時間が止まったよう。(わが家も来訪者からは同じこと言われるけれど。。)


業務用のほうがお得ですよ!と、親切でてきぱきとした応対も気持ち良うて。65年間変えることせず、自信持って商いしたはる姿勢が伝わってくる。業務用のビンは某ビル会社のものを再利用。手作業で貼られたらしきシール。
 検索するとトップにしっかりとしたホームページが出てくるこのお店。冷やし飴はやさしい味。




 

2010年8月16日月曜日

暖簾

よみがえった景色

 お受けした2日間のびっくりエコ100 ワークショップは盛況で終わった。親子30名も参加いただけて十分に満足。
 この二日間、目印にもなるかと思うて久しぶりに暖簾を掛けることにした。軒下の梁に取り付けられた暖簾掛け用の鉄金具、片方に竹の棒先をチョイと引っ掛けてからもう片方も掛ける。三つ折にたたんだ分厚い帆布をスルスル~っと引き出して。ひとつ、ひとつの手順を手が覚えてて勝手に動いていく。あ、この感覚。忘れへんもんやな。。
 カド口に、白地に黒いしっかりした太字で太子山町 小児薬王 奇應丸 調合所 秦與兵衛 と書かれたこの暖簾を掛けると家がすごく治まって見えるというか、内側から見てもなんとも言えん安堵感がある。

2010年8月14日土曜日

お茶とう

お精霊さん(おしょらいさん)

 おとといの夕方からお精霊さんの来訪。朝夕、お湯から沸かして熱いお茶を供える「お茶とう」。朝に、昼に、夕に、家の中にはお線香の香りが漂うと、なんとなしに家のはが穏やかに静か。こんな風に思うのも歳のせいかな。。。

2010年8月11日水曜日

クマゼミ

ムーン 絶好調、、
午前中にお墓参りをすませて、午後に錦へお盆の買い物に出る。仏さんのお供えもんの買出しも近頃は母から移行してきてる。七色(蓮の葉の上に七種の野菜)、お花(しきみ、ミソハギ、高野槇)、おがら(これはお精霊さんのお箸用)、蓮の葉(大、中、小3枚)、お供え用の果物(なぜか葡萄(デラウエア))。求めるお店も、値と品とのバランスのええとこが自分なりに開拓できてきたかな~。とにかく、お盆とお正月は高値なとこが家計を考えると悩ましい、、。
 お寺へのご挨拶は昨日、母が行って来てくれたし、おみがきもん(仏壇の金物をきれいに磨き上げる作業のこと)も終わってるし、お盆の道具もお蔵から出したし、いつ来てもろても大丈夫。
 
お盆もおかまいなしにムーンはこの調子、、、


2010年8月10日火曜日

戦利品

夜の陶器市
お昼に横目で見過ごした古物屋のかごの中がやっぱりどうしても気になって夕飯を終えてから出かけた。こんなして晩になってから陶器市に出かけるといかにもお盆の時期が来たなぁて思う。

 かごの中の器。それは昭和の型ガラスの器。お昼にチラッと見たそれが、あんまりわが家にあるのと似てたのでもしかして、、、と思うて手に取ると、形、大きさ、模様がいよいよ似てて。おそるおそる値を訊ねたらなんと格安のN百円!!決まり!!(左がわが家の器。右が戦利品。そっくり同じ)
 
持ち帰ったものを洗剤できれいに洗て、あらためて並べてみたら、やっぱり、やっぱり、瓜二つ。(違うてたのは JAPAN の刻印。海外向けに大量生産されたのか、、。)割れて三枚になってたのがお陰さんで7枚に増えた。ええ買いもんして、満足、満足。陶器市での掘り出し物、何が出てくるかわからへんとこが楽しい。今年の戦利品はガラス器になった。

時間はもう晩も10時前頃?それでも陶器市のときには代々清水焼を焼いてはるお家も店庭までぱーと開けてはる。その様子はまるで祇園祭の宵山のわが家を見てるよう。立派な大皿が並んでるとこでアララ、小さい子達が遊んでて大丈夫?!他所事ながら気になってしもた。けど、まあ、その心配もないのやろ。常からそこが生活の場になってると、以外にそこのところは立ち振る舞いも身についてるのかな?