2009年8月16日日曜日

お盆-5

送り火の朝に
 薄曇りのお天気の朝を迎えた。朝一番、最後のお茶とうをお供えしたら、七色、1本しきみ、水鉢、などなどお供物を置いていた台ごと奥座敷の縁先へ。紫色のお線香の煙が静かにくゆりながら庭から天へ向こうて上っていった。
 お線香の煙がたつとこのお供物を昔は川へ流したと聞くけれど、どこに流せるような川があったのやろうか・・。今どきは、近所の公園へ持っていくことになってる。行くと、「お供物用」と印刷されたきれいな縦横50cmほどの大きさのダンボール箱が整然と並んでて、ここにご近所のお供物が集結するとけっこうな量。お盆の行事を大事にしたはるお家は、まだまだたくさんあるのやな。と思うと何かしらホッとする。
 さて、それぞれの家をあとにしたお精霊さんは今晩、送り火に見送られあの世へと帰って行かはる。家の母屋の大屋根の上にあった火の見(火の見櫓)から送り火が見えたのは40年も前のこと。お隣さんも、お向かいさんも、皆、屋根の上に上がったはって、「こんばんわ、もう、点りますかいなぁ。」て声をかけあいながら見送ってお盆を終えたものやったけど、ビルの林にかき消されてからあの火を見んようになってずいぶんと歳月が経った。
 送り火は花火の見物とはちょっと違う。夜の空を焦がして燃え上がる炎に合掌する気持ち、大事にしたいもんやな。。。